HP Z4 G4 Workstation システム構成ガイド:初心者にもわかりやすく解説

 PR 

この記事では、プロ向けのパソコン「HP Z4 G4 Workstation」のシステム構成について、初心者の方にも理解できるように、部品(ぶひん)の種類や選び方をやさしく解説します。メモリやグラフィックボードなど、難しい言葉も分かりやすく説明するので、ワークステーション初心者の方も安心して読み進めてくださいね。どんな部品が使われているか、一緒に見ていきましょう!

【この記事を読むと分かること】

この記事を読むと、HP Z4 G4 Workstationを構成(こうせい)する主な部品について、以下の点が分かります。

  • どんな種類のメモリが使えるの?
  • グラフィックボード(映像を綺麗(きれい)にする部品)の選び方は?
  • データを保存するストレージ(HDDやSSD)にはどんな選択肢がある?
  • その他、どんな部品を追加できるの?

【注意】 この記事の情報は、2023年2月3日時点のものです。最新の情報とは異なる場合があるので、ご注意ください。

HP Z4 G4 Workstation ってどんなパソコン?

HP Z4 G4 Workstationは、普通のパソコンよりも高性能(こうせいのう)で、専門的な作業(さぎょう)をする人(デザイナー、エンジニア、研究者など)向けの特別なパソコンです。「ワークステーション」と呼ばれます。

  • パワフル: 複雑(ふくざつ)な計算や、大きなデータを扱う作業もスムーズ。
  • 安定性(あんていせい): 長時間つけっぱなしで使うことも想定(そうてい)されていて、壊(こわ)れにくい。
  • 拡張性(かくちょうせい): 後から部品を追加したり交換(こうかん)したりしやすい。

このガイドでは、この Z4 G4 Workstation の中身、つまり「システム構成」について詳しく見ていきます。

💡 これだけ覚えよう!

この記事の内容を最も簡単に説明すると:

  • HP Z4 G4はプロ向けの高性能パソコン(ワークステーション)。
  • メモリ、グラボ、ストレージなど、色々な部品を選んで性能(せいのう)を変えられる。
  • 部品選びにはルールがあるので、注意が必要。

メモリ:パソコンの作業スペースを決めよう

メモリ(RAMとも呼ばれます)は、パソコンが作業(さぎょう)をするための一時的なスペースです。容量(ようりょう)が大きいほど、たくさんのソフトを同時に動かしたり、大きなデータを扱ったりするのがスムーズになります。

Z4 G4 のメモリスロット

  • Z4 G4には、メモリを取り付ける場所(スロット)が8つあります。
  • メモリは基本的に同じ容量のものをペアで使うのがおすすめです。
  • HP純正(じゅんせい)以外のメモリや、仕様(しよう)の違うメモリを混ぜて使うことはできません。

メモリの種類 (Registered DIMM 2933MHz)

Z4 G4 で主に使われるのは「Registered DIMM」という種類で、特にエラー訂正機能(ふせいごうせいせいきのう)がついた ECCメモリ が推奨(すいしょう)されています。これは、データの正確さがとても重要なプロの作業に向いています。

型番 容量 特徴 注意点
5YZ56AA 8GB (1枚) DDR4-2933 ECC
5YZ54AA 16GB (1枚) DDR4-2933 ECC 古いCPU (Xeon W-21xx) では使えません
5YZ55AA 32GB (1枚) DDR4-2933 ECC 古いCPU (Xeon W-21xx) では使えません

メモリの速度について メモリには2933MHzや2666MHzといった速度がありますが、パソコンの中心部品であるCPUの対応速度が遅い場合は、CPUに合わせて遅い方の速度で動きます。違う速度のメモリを混ぜて使うこともできますが、その場合も遅い方に合わせて動作します。

メモリの取り付け方(順番が大事!)

メモリを取り付ける(増設(ぞうせつ)する)ときは、マザーボード(パソコンの基盤(きばん))に書かれた番号ではなく、下の図の「1」から順番に取り付けてください。

   [CPU 0]
<-- 2 6 4 8    7 3 5 1 -->
  • 容量の違うメモリを使う場合は、容量の大きいものから「1」のスロットに順番に取り付け、最後に小さい容量のものを付けます。

❓ よくある疑問

質問1: ECCメモリって何ですか?

答え:ECCは「Error Correcting Code」の略で、データの読み書き中に発生する小さなエラーを自動で発見し、修正(しゅうせい)してくれる機能です。計算ミスが許されない科学技術計算や、金融(きんゆう)データ分析などで使われます。

質問2: メモリは自分で増やせますか?

答え:はい、増やせます。ただし、Z4 G4に対応した正しい種類のメモリを選び、正しい順番でスロットに取り付ける必要があります。自信がない場合は、専門家にお願いするのが安全です。

グラフィックスコントローラー:映像のプロフェッショナル

グラフィックスコントローラー(グラフィックボードやGPUとも呼ばれます)は、パソコンの映像(えいぞう)をモニターに表示(ひょうじ)するための部品です。特に3Dデザインや動画編集(どうがへんしゅう)、CAD(キャド:設計(せっけい)ソフト)などを使う場合、高性能なグラフィックボードが必要になります。

Z4 G4 のグラフィックボードの特徴

  • Z4 G4には、グラフィックボードなどを挿(さ)すための PCI Express 3.0 スロット が5つあります。(一部はより高速な4.0にも対応)
  • 最大で2枚のグラフィックボードを搭載(とうさい)でき、たくさんのモニター(最大8画面)に映像を出力できます。
  • 複数(ふくすう)のグラフィックボードを搭載する場合は、必ず同じ種類のカードを使いましょう。

【重要】変換アダプタについて HPのオンラインストア(HP Directplus)でグラフィックボードをカスタマイズ購入した場合、モニターに接続するための変換(へんかん)アダプタは付属(ふぞく)しないことがあります。必要な場合は別途(べっと)購入が必要です。

主なグラフィックボードの選択肢 (NVIDIA RTX / Tシリーズ)

高性能な順にいくつか紹介します。

型番 製品名 特徴 スロット占有 変換アダプタ例(別売の場合あり)
2S6U3AA NVIDIA RTX A6000 超高性能、大規模な3D/VR向け 2スロット なし
20X23AA NVIDIA RTX A5000 高性能、プロフェッショナル3D/VR向け 2スロット なし
5S458AA NVIDIA RTX A4500 高性能、バランスの取れたモデル 2スロット なし
5Z7D9AA NVIDIA RTX A2000 12GB 中~高性能、コンパクトながらパワフル 1スロット Mini-DisplayPort -> DisplayPort ×2
5Z7D8AA NVIDIA T1000 8GB エントリー~ミドル、複数のモニター利用に 1スロット Mini-DisplayPort -> DisplayPort ×2
5Z7E0AA NVIDIA T400 4GB エントリー向け、省スペース 1スロット Mini-DisplayPort -> DisplayPort ×2

注意点 - RTX A6000/A5000/A4500のような大型のカードは、冷却(れいきゃく)ファンのために隣(となり)のスロットも1つ分使います。 - Quadro P600 と GP100 (販売終了) を同時に使う構成では、一部の高速ストレージ(HP Z Turbo Quad Pro)は使えません。

どのスロットに挿せばいい? (PCIスロット)

Z4 G4 にはいくつかの種類のスロットがあります。グラフィックボードは基本的にスロット1スロット3スロット5PCI Express 3.0 x16 または x8 と書かれたスロットを使います(数字が大きいほど高速)。

スロット番号 スロットタイプ 用途
1 PCI Express 3.0 x16 グラフィックボード(最優先)
2 PCI Express 3.0 x4 他の拡張(かくちょう)カード
3 PCI Express 3.0 x16 グラフィックボード(2枚目など)
4 PCI Express 3.0 x4 他の拡張カード
5 PCI Express 3.0 x8 グラフィックボード(3枚目など)

※オープンエンドとは? x4 や x8 スロットの後ろが開いている形状(けいじょう)のことです。これにより、本来は x16 が必要な長いカードも物理的(ぶつりてき)に挿すことができますが、性能はスロットの規格(きかく)(x4 や x8)に制限(せいげん)されます。

⚠️ 初心者によくある間違い

  • 間違い1:ゲーム用グラボを使おうとする → ワークステーション用グラボ (NVIDIA RTX/Tシリーズなど) は、ゲーム用 (GeForceなど) とは違い、CADやCG制作ソフトでの安定性や精度(せいど)が重視されています。用途に合ったものを選びましょう。
  • 間違い2:どのスロットでも同じ性能だと思ってしまう → グラフィックボードは、x16 や x8 と書かれた高速なスロット(スロット1, 3, 5)に挿すのが基本です。x4 スロットに挿すと性能が十分に出ない可能性があります。

ストレージ:大切なデータを保存する場所

ストレージは、OS(Windowsなど)やソフトウェア、作成したファイルなどを長期間保存しておくための部品です。主に HDD(ハードディスクドライブ)と SSD(ソリッドステートドライブ)があります。

  • HDD: 容量が大きく、価格が安い。データの読み書き速度はSSDより遅い。
  • SSD: データの読み書きが非常に速い。HDDより高価で容量は小さめ。

Z4 G4 では、これらのストレージを複数(ふくすう)搭載できます。

Z4 G4 のストレージ搭載場所

  • 内部 3.5インチベイ (2箇所): 主にHDDを搭載。
  • 外部 5.25インチベイ (2箇所): DVDドライブや、専用ブラケットを使ってHDD/SSDを追加可能。
  • マザーボード上 M.2 スロット (2箇所): 高速な M.2 SSD を直接搭載。
  • PCIe スロット: 専用カードを使ってさらに M.2 SSD を追加可能 (Z Turbo Drive)。

オンボードSATAコントローラ

マザーボードには、SATA(サタ)という接続規格(きかく)のHDDやSSDを最大6台まで接続できるコントローラが標準で搭載されています。RAID(レイド) 0, 1, 5, 10 という機能(複数のストレージを組み合わせて速度や安全性を高める技術)も利用可能です。

内蔵ハードディスクドライブ (SATA HDD)

一般的な選択肢です。

型番 容量 性能
LQ036AA 500GB SerialATA 6Gb/s, 7,200rpm, NCQ
LQ037AA 1TB SerialATA 6Gb/s, 7,200rpm, NCQ
QB576AA 2TB SerialATA 6Gb/s, 7,200rpm, NCQ
K4T76AA 4TB SerialATA 6Gb/s, 7,200rpm, NCQ

注意点 - 3台以上のHDD/SSDを搭載する場合、5.25インチベイに専用のブラケット(取り付け金具) が必要になることがあります。 - 5台以上搭載する場合は、電源ケーブルが足りなくなるため、さらに特別なキット (B8K60AA) が必要です。

M.2接続 SSD (オンボード)

マザーボード上の専用スロットに直接取り付ける、非常に高速なSSDです。「HP Z Turbo Drive」という名前で提供されています。OSやソフトウェアの起動が劇的(げきてき)に速くなります。

型番 容量 製品名
8PE68AA 256GB HP Z Turbo ドライブ TLC SSD Z2/Z4/Z6 Kit
8PE69AA 512GB HP Z Turbo ドライブ TLC SSD Z2/Z4/Z6 Kit
8PE70AA 1TB HP Z Turbo ドライブ G2 1TB TLC SSD Z2/Z4/Z6 Kit
(旧)1PD59AA 256GB HP Z Turbo ドライブ TLC Z4/6 G4 SSD Kit
(旧)1PD60AA 512GB HP Z Turbo ドライブ TLC Z4/6 G4 SSD Kit
(旧)1PD61AA 1TB HP Z Turbo ドライブ TLC Z4/6 G4 SSD Kit
(旧)3KP39AA 2TB HP Z Turbo ドライブ TLC Z4/6 G4 SSD Kit

注意点 - マザーボード上の M.2 スロットには最大2枚まで搭載できます。 - RAID構成にする場合は、別途 VROC(ブイロック)コントローラモジュールが必要になる場合があります。

PCIe接続 SSD (Z Turbo Drive Quad Pro)

PCIeスロットに挿すカード型のSSDで、複数のM.2 SSDを搭載してさらに高速化や大容量化が可能です。

型番 容量と構成 製品名
4YZ39AA 512GB M.2 SSD × 2枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 512GB × 2 PCIe TLC SSD
4YZ40AA 1TB M.2 SSD × 2枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 1TB × 2 PCIe SSD
3KP42AA 2TB M.2 SSD × 2枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 2TB × 2 PCIe SSD
--- ↓増設用モジュール↓ ---
4YZ35AA 256GB M.2 SSD モジュール 1枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 256GB TLC SSDモジュール
4YZ36AA 512GB M.2 SSD モジュール 1枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 512GB TLC SSDモジュール
4YZ37AA 1TB M.2 SSD モジュール 1枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 1TB TLC SSDモジュール
3KP43AA 2TB M.2 SSD モジュール 1枚 HP Z Turbo ドライブ Quad Pro 2TB SSDモジュール

注意点 - Quad Proカード自体を搭載できる枚数は、空いているPCIe x8/x16スロットの数によります。 - M.2 SSDモジュールを3枚以上搭載する場合は、PCIe x16スロットが必要です。 - Windows 7 では特別なドライバが必要です。 - Quadro P620 + GV100 の構成では搭載できません。 - RAID構成には VROC モジュールか、OSのソフトウェアRAID機能が必要です。

👉 実例で理解しよう

例:OSは高速に、データはたくさん保存したい場合 1. M.2 SSD (例: 8PE69AA 512GB): これにWindowsやよく使うソフトをインストール。起動(きどう)や動作がサクサクになります。マザーボードのM.2スロットに取り付けます。 2. SATA HDD (例: QB576AA 2TB): 作成したデータやあまり使わないファイルなどを保存。大容量(だいようりょう)なので安心です。内部の3.5インチベイに取り付けます。

これで、速度と容量のバランスが良い構成になります!

ネットワークとその他のオプション

ワークステーションをさらに便利にするための追加部品もあります。

ネットワークコントローラ

インターネットや社内ネットワークに接続するための部品です。Z4 G4 は標準でもネットワークポートを持っていますが、より高速な接続や、複数の接続が必要な場合に追加します。

型番 製品名 特徴
W8X25AA Intel Ethernet I350-T4 1Gb 4ポートアダプタ 1Gbpsのポートが4つ。複数のネットワークに接続
1QL46AA Intel X550 10GBASE-T デュアルポート NIC 10Gbpsの高速ポートが2つ。大容量データ転送に

Thunderbolt 3 カード

Thunderbolt(サンダーボルト) 3 は、非常に高速なデータ転送(てんそう)や、高解像度(こうかいぞうど)モニターへの映像出力ができる多機能な接続ポートです。対応する外付けストレージやドッキングステーションなどを接続できます。

型番 製品名 特徴
3UU05AA HP Dual Port Thunderbolt 3 PCIeカード Thunderbolt 3 (USB Type-C) ポート ×2
DisplayPort 入力 ×2

注意点 - 必ず PCIe スロット4 に搭載してください。 - 特定のNVIDIAグラフィックボードとの組み合わせでのみ動作検証(どうさけんしょう)されています。 - Quadro RTX 8000 とは使用できません。 - 複数枚の搭載はサポートされていません。

その他オプション

型番 製品名 用途
EM165AA 内部USBポートキット (USB2.0) ケース内部にUSB機器(ライセンスドングルなど)を接続
2HW42AA HP Z2 Mini / Z2 Tower/ Z4 / Z6 G4 レールラックキット サーバーラックにZ4 G4本体を取り付けるための金具

モニター:作業結果を表示する画面

ワークステーションの性能を活(い)かすには、モニターも重要です。作業内容に合わせて選びましょう。

プロフェッショナル液晶モニター

色の正確さや、長時間の使用でも目が疲れにくいように設計されています。

型番 製品名 サイズ・解像度 特徴
3G828AA#ABJ HP Z24f G3 FHD プロフェッショナル液晶モニター 23.8インチ / 1920x1080 (Full HD) IPS液晶、デイジーチェーン対応
1C4Z6AA#ABJ HP Z24u G3 プロフェッショナル液晶モニター 24インチ / 1920x1200 (WUXGA) IPS液晶、縦横比16:10、デイジーチェーン対応
1B9X2AA#ABJ HP Z27u G3 プロフェッショナル液晶モニター 27インチ / 2560x1440 (WQHD) IPS液晶、デイジーチェーン対応

高解像度モニター

より広い作業スペースや、細かい部分まで鮮明(せんめい)に見たい場合に適しています。

型番 製品名 サイズ・解像度 特徴
1B9T0AA#ABJ HP Z27k G3 4K UHD プロフェッショナル液晶モニター 27インチ / 3840x2160 (4K UHD) IPS液晶、高精細(こうせいさい)

デイジーチェーンとは? モニターから別のモニターへ数珠(じゅず)つなぎで接続できる機能です。パソコン本体のポートが少なくても、複数のモニターを簡単に接続できます。(DisplayPort接続の場合)

まとめ:自分に合った構成を見つけよう

HP Z4 G4 Workstation のシステム構成について、主な部品を紹介しました。

  • メモリ: 作業スペースの広さ。ECCメモリでデータの信頼性アップ。
  • グラフィックボード: 映像の質と処理速度。専門作業にはNVIDIA RTX/Tシリーズ。
  • ストレージ: データ保存場所。速度ならSSD (M.2が最速)、容量ならHDD。組み合わせも可能。
  • その他: ネットワーク強化や高速接続 (Thunderbolt) など、必要に応じて追加。

ワークステーションは部品の選択肢(せんたくし)が多く、組み合わせも複雑に見えるかもしれませんが、自分のやりたい作業に合わせて最適な構成を選ぶことが大切です。

もし構成選びに迷ったら、HPの公式サイトや販売店(はんばいてん)の情報を確認したり、詳しい人に相談(そうだん)してみるのが良いでしょう。

【再度注意】 この記事の情報は2023年2月3日時点のものです。製品の仕様や価格は変更される可能性があるので、購入前には必ず最新の情報を確認してください。